パッスパルトゥ(passe-partout)

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今回はパッスパルトゥ(passe-partout)の説明。パッスパルトゥは額装のテクニックにはかならず出てくる重要なファクターのひとつです。

パッスパルトゥーの意味


パッスパルトゥ(passe-partout)は額装の用語がたいていそうであるようにフランス語です。

フランス語での一般的な意味はマスターキーのことを指しているそうです。なんでもあけることができる万能な鍵というところから、『海底二万里』などで有名なジューヌ・ヴェルヌは『八十日間世界一周』の主人公が連れて行く執事にパッスパルトゥーという名前を付与しています。あんまり関係ない話ですが。

そうなると額装のパッスパルトゥも万能という意味なの?と一瞬思ってしまいますが、残念ながら額装で使うパッスパルトゥは一般的な意味の”万能”とはちがうようです。僕も詳しいことを知っているわけではないのですが英語版のwikipediaにある項目にもpasse-partout(framing)と書かれているようにパッスパルトゥという言葉には額装用語としての意味もあります。

問題は英語にもちょうどぴったりおさまる言葉がないように、日本語にもぴったりおさまる日本語がないので説明がむずかしいということです。英語のwikipediaに書かれているように<マット>ということばにちかい意味合いを持っています。ただ普通に日本で額にいれるさいに使う<マット>ともまた若干意味合いがちがいます。
写真で示した方が手っ取り早いと思うので、次の写真を参考にしてみてください。

パッスパルトゥの説明


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この記事で紹介したコーヒーの額装の写真を参考に使ってみます。赤い斜線の部分のことを額装ではパッスパルトゥと呼びます。
たいていの場合は額装をする際に一番上(鑑賞者から見て一番手前)にくる厚紙になります。もちろん例外もありますけれどね。

この作品はビゾー・クラシックと呼ばれる45°のビゾーのテクニックを使った作品なのですが、パッスパルトゥ(赤い斜線)の内側の部分がビゾー。その内側がドキュモンになります。ドキュモンの大きさでくりぬいた四角い部分のことはフネートル(・イマージュ)と呼びます。フネートルはフランス語で窓の意味なので、作品を見せるためにあけた窓ということですね。このあたりの関係性はまたおいおい説明したいと思います。ちょっと乱暴な言い方ですが、<ビゾーの上に載せる紙がパッスパルトゥ>とおぼえておけば額装ではだいたい正解にちかいです。

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パッスパルトゥの原型はこのような1mm厚の厚紙です。この内側をビゾーの大きさを考慮して切り抜きます。
切り抜いたものに色紙などを貼ると晴れてパッスパルトゥと呼ぶものができあがります。色付きのボードやリップルボードなど厚めの紙を使う場合をのぞいて、基本的には厚紙に色紙をボンドで貼ったものがこのブログでパッスパルトゥと呼んでいるものにあたります。

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パッスパルトゥに関連するテクニック


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パッスパルトゥ・サンプル

パッスパルトゥ一枚だけで額装したものをパッスパルトゥ・サンプル(Simple)と呼びます。写真は実際にはパッスパルトゥを2段重ねているので厳密にいえばパッスパルトゥ・サンプルとはちがいますが、こんな感じで色紙をくるんだ紙だけでシンプルに作品を飾り立てることができます。

▲パッスパルトゥ・オッス

パッスパルトゥの下に厚めのスチレンボードなどを挟んで、高さを出したものをパッスパルトゥ・オッス(オッスは高さを出すの意味)と呼んでいます。高さを出すことでパッスパルトゥの下に影ができて、立体的な作品になるのが特徴です。


2015年04月07日 | Posted in Glossary | タグ: , , , No Comments » 

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