Jazzy Time コーヒーとジャズと額装の不思議な関係 – ストーリー編

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いきおいよくテーマをコーヒーと決めてみたものの、いざコーヒーだけで額装するのかと考えると思わず腕組みをしたくなりました。ちょっと待てよ、コーヒーだけってちょっとテーマが狭すぎて難しいんじゃないかなあとふと思ってしまったのです。そこで最初は何か別のものにコーヒーと額装のあいだを取り持ってもらって、作品を作るのはどうだろうと思いました。その方がとっつきやすそうだし、バラエティにとんでいるといえなくもないし。

で、選んだのがジャズのレコードジャケットです。なぜジャズなのか?と疑問を感じられるかもしれません。これはたんにジャズといったら苦いブラックのコーヒーと煙草の紫煙を連想せざるをえないからです。ジャズといえばコーヒー、コーヒーといえばジャズ。両者のあいだにはそんな関係があるような気がするのです。たんにぼくがそう思い込んでいるだけかもしれませんが。

ということで、さっそくジャズの素材を使って額装します。ドキュモンに選んだのはセロニアス・モンクのレコード・ジャケット。なぜこれを選んだかといえば、このジャケットがモンクの横顔をアメリカのスタンプのかたちにコラージュするかたちでデザインされていたから。これはほかの分野でドキュモンを探すときにも当てはまることなのですが、あまり有名すぎるものや写真だとはっきりわかるものは額装する際にバランスを取るのが難しいので避けた方がいいことがあります。反対に今回のようにデザインされているものは額装のネタとしてとても使いやすいですし、あとで色を決めていく際の参考にもなります。もちろんこのルールに当てはまらないこともありますけどね。

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次にテーマであるコーヒーの出番です。もちろんちゃんとコーヒーも使います。今回は冷ましたエスプレッソを、アンティーク風の紙を作る工程で使いました(作り方はP12を参照)。アンティーク風の紙を作るテクニックはウォルナット・インクを使うなどいろいろとありますが、ここではテーマにちなんでコーヒーを使いました。額装に使う紙を自分で染めるのは手間なことですが、自分が作った世界にひとつだけの紙を使うことで、わりとかんたんに作品にオリジナリティを与えることができます。 額装のテクニックはシンプルにビゾー・ドロアを使いました。アナログ・レコードが入る分だけの高さをつければいいだけで無理に複雑にする必要がなかったからです。ただし、普通っぽく見えないようにドキュモンを斜めに傾けてみました。このようにフネートル(額装の窓にあたる部分)を斜めに傾けるのはとても勇気のいることですが(失敗すると作品が傾いているように見えてしまうから!)変化をつけたいときには即席の有効なテクニックにもなります。そしてこの斜めのラインを強調するためにオレンジのストライプ柄のマスキング・テープを使いました。ちょっと作品が地味だなと思ったときはマスキング・テープでワンポイント的に強い色をいれてみるのはいろいろな場合に役に立つ方法です。ただし多用すると、せっかくの作品が既製品のようになってしまうので、気をつける必要がありますが。

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全部貼り終えたら仕上げの作業です。今回のようにレコード盤みたいな紙以外の材質のもの(ノリで貼つけられないもの)を貼りつけるときはちょっとばかり知恵を搾らなくてはなりません。普通のやり方では紙に貼りつかないし、かといって瞬間接着剤のようなボンドで貼つけても重さがあるのであとになって落下してしまう可能性があるからです。今回は、まずレコード盤にピンバイスで穴をあけて紙袋にワイヤーで固定し、つぎに紙袋をボンドで台紙にしっかりと固着させ、補強にテープを貼りました。これくらいしておけば大丈夫だと思います。まあ、それでも落ちるときは落ちますけどね。 最後に裏板にはレコードジャケットを印刷したパッスパルトゥーに使ったのと同じ紙を貼りました。作品の裏側は普段目にすることのない部分ですが、額装にとってはもうひとつの顔にあたる場所といってもよいです。ということで手間ではありますが何か作品に関連するしるしみたいなものを工夫してアレンジすると作品への愛着が深まるのでオススメです。そしてフレームに作品をおさめたら、できあがり。お気に入りの場所に飾ったら、モンクのレコードをかけて、エアロプレスで淹れたコーヒーを愉しみました。

 


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