Encadreur N°9 – Japonism(ジャポニズム)

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せっかく旅行をテーマに特集するのだから日本を忘れてはいけないだろう。国内にだってすばらしい観光地がたくさんあり、世界遺産に登録された名所も多い。この国にはパリやニューヨークにも負けない経済の中心としての東京と古来より続く侘び寂びの象徴ともいえる京都というふたつの都がある。それにちょっと身の回りに視線を向けてみれば興味深い自然と調和た美しさがそこここに潜んでいることがわかる。

額装は主にヨーロッパで発展したものだけれど、装丁するという行為は世界のどこにでもあるありふれたものだ(日本だったら掛け軸なんかの表装がそれに当たると思う)。とはいえやっぱりフレームを使うものだから洋風なものと相性がよい。でもたまには日本の和的なものと組み合わせてみることに挑戦してもいいかなと思った。日本にはうつくしい手作りの和紙があるし、独特な和柄のデザインもある。伝統的な「侘び寂び」ほど深く哲学的なことを思想しなくとも、身近にある和なテイストのものを利用して、額装に活かしてみることだってできるはずである。

今回は古民家の廊下の壁にでも飾ってありそうな古い小ぶりの額縁と緑色の柄がおもしろい型染紙という和紙を使ってアンカードラー的「和」の額装に挑戦してみたいと思った。ドキュモンに使ったのはイラストレーターの足立真人さんが描いた日本の観光名所を紹介するポストカードシリーズ「Who Mails?」の一枚。選んだのは見ざる言わざる聞かざるの3匹の猿がかわいい日光東照宮のカード。数あるなかからこの一枚を選んだのは今年がサル年だという単純な理由である。そう、サルといえば日光。日光といえばサルなのである。

テクニックはシンプルにビゾー・クラシックで。これは額縁がとても小ぶりだったため大掛かりな技法を入れる隙間がないからだ。それにはじめての「和」風の額装だったため基本の技法で相性みたいなものを試してみたいと思った。今回試してみてわかったことは額装と「和」の相性はとてもいいんじゃないかということ。日本の伝統的な和紙はとてもやわらかくよく伸びて、とても貼りやすい。そして柄も色合いも豊富でいろんなアレンジもしやすそうに見えた。

ちなみに個人的には日光東照宮には幼いころに一度行ったことがあるくらいで、ちゃんとした観光をしたことがなかったりする。これをいい機会にうつくしい建築とかわいらしいサルたちを見に日光まで赴いてみるのもいいかもしれないなと思った。

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パッスパルトゥに型染紙を貼っていきます。和紙はとてもやわらかい紙なので、分厚い紙に比べてとても貼りやすいです。

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ビゾー・クラシックを作るためmapedの45°カッターでカットしていきます。

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ビゾー部分の紙ができあがりはこんな感じ。3mm分の厚さがでて少しだけ立体的になります。

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ビゾー部分に緑色のこちらも淡い色合いの和紙を貼っていきます。

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パッスパルトゥとビゾーのあいだに金色柄の和紙でフィレをいれ、仕上げをしたら完成です。和紙と古い日本の額縁を合わせることで和風な額装ができました。


2016年06月24日 | Posted in Encadreur N°9 | | No Comments » 

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