Encadreur N°7 – (black) and white christmas クリスマス・モノトーン

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ふとクリスマスにちなんだ額装をしてみたいと思った。
私にとってクリスマスというとまず頭に思い浮かぶのは世界中の子供たちのもとに遠路はるばるプレゼントを届けにやってくる奇特なサンタクロースの姿だったり、彼の乗る橇を仕方なく引くトナカイたちの姿だったり、あるいはプレゼントを山ほど欲しがる子供たちの強欲の象徴ともいえる巨人が履くくらい大きな靴下だったりする。あるいはその日のために育てられ丸焼きにされる哀れな七面鳥でもいいし、安物のイルミネーションにがんじがらめにされ部屋の片隅で息苦しそうに佇むクリスマスツリーでもいいかもしれない。色でいうならば赤と緑。雪の白といったところ。それは電飾やモール飾りやオーナメントが象徴するみたいに基本的にカラフルな世界であり、冬という色彩の少ない世界に人の力でなんとか抗おうとしているといった感じに見えなくもない。でもたまには色彩のない冬の色に染まったクリスマスでもいいんじゃないかと思った。そこで今回はあえて定番のクリスマスカラーを使わない、モノトーンのクリスマスの額装を作ってみることで、一般的なクリスマスのイメージとはちょっと異なるクリスマスの姿を表現してみようと思ったのである。

まずモノトーンのイメージに沿ったドキュモンを選ぶところからはじめてみた。額装の基本はドキュモン選びである。ちょうどHet Paradijsのクリスマスカードセットがオランダから届いたところだったので、これがいいんじゃないかと思い、使うことに決めた。そのカードセットは6枚のクリスマスにちなんだイラストのカードのシリーズで、ポストカードよりもひとまわり小さい正方形のかたちをしていた。それぞれにHet Paradijsらしいシュールなイラストが描かれている。今回はそのなかから4つ、「大きなクリスマスツリーを自転車のカゴに載せて運んでいる人」、「トナカイとハグする子」、「クリスマスのオーナメントといっしょに箱のなかに入っている女の子」、「月夜の地中で小さなクリスマスツリーとともに眠るキツネの子」を選んでみた。

さて、4枚のカードをテーブルの上に並べてみて、どうしようかなと思った。それぞれのカードを別々に額装するのもいいけれど、せっかくクリスマスなのだからちょっと大きめの作品にしてもいいかなと思った。つまり4枚のカードをひとつのフレームのなかにおさめるということ。額装にはミュルチ・フネートルという技法があって(ミュルチ・フネートルはひとつの作品のなかに複数[ミュルチ]の窓[フネートル]を作るテクニック。市販のフォトフレームなどでいくつかの写真をひとつの額のなかに並べて飾ることができるものがあるけれど、イメージはそのような感じ)、複数のドキュモンをひとつの額のなかにいれることで、より大きな迫力のある作品を作ることができる。

そこで今回は技法に合わせて、フレームを自作することにした。自分でフレームを作れば好きなサイズのものを用意することができるし、世界のどこにもないオリジナルな柄をつけることもできるから。そこでまず厚紙とダンボールを使ってフレームの土台部分を作った。フレーム作りに使ったダンボールはオランダから届けられたカードが入っていたダンボール箱を使った。これなら本来なら捨てられてしまうものを有効に利用することができるし、オランダから届いたダンボールで作った額縁ということを思うだけで、ちょっと立派な額になったような気がしないだろうか。土台が完成したら、そこに京都のBox & Needleの冬らしい柄の紙を貼った。

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フレームができたら額装の作業に取り掛かる。4つのドキュモンをいれるためにパッスパルトゥには4つの窓を開ける。ひとつひとつの作品はビゾー・ファンタジー(幅広のビゾーの技法)のテクニックで額装することにした。ビゾー・ファンタジーは額装のなかでも基本的なテクニックだけど、並べて飾ることによってまたちがった感じがでると思う。裏板を作ってパッケの作業をしたら完成。色を抑えたことでモダンな落ち着いた印象の作品になったと思う。たまにはクリスマスもカラフルな感じじゃなくて、こんな風に白と黒の穏やかな世界にしてみてもいいんじゃないかなと思った。

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オランダのHet Paradijsのモノトーンのクリスマスカード。セットになっていたもののうちから4枚を選んでみました。どれもちょっとシュールな感じのイラストがいいです。

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カードが入ってきたダンボールも作品づくりに使います。はるばるオランダからやってきたダンボールですから使わないともったいないでしょう。ちなみにダンボールが大きいのはこのクリスマスカードのせいではなくて、一緒に購入したポスターが大きかったからです。

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厚紙とオランダからのダンボールを使ってオリジナルのフレームを作ります。土台部分を作ったらボンドが固まるまでしっかりとプレス。

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京都の「Box & Needle」の紙を作った土台に貼ります。やわらかい白とグレーの紙で、冬の作品のイメージにぴったりです。

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オリジナルのフレームが完成したら、モノトーンのクリスマスカードを並べてみます。ミュルチ・フネートルの作品を作ろうと思うので、だいたいこれくらいのバランスでしょうか。

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設計図を書いたら、パッスパルトゥを作っていきます。

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ビゾー・ファンタジーの技法の土台を作っていきます。作品とのバランスはこんな感じでしょうか。

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パッスパルトゥとビゾーを雪をイメージした白い紙で作っていきます。パッスパルトゥとビゾーが完成したらテクニック部分を貼り合わせます。

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裏板を作って仕上げの作業をしたら完成! 冬らしいモノトーンの落ち着いた作品ができあがりました。


2015年12月18日 | Posted in Encadreur N°7 | | No Comments » 

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