Encadreur N°6 – Sherlock Holmes シャーロック・ホームズの額装

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少年時代のヒーロー、稀代の名探偵シャーロック・ホームズで額装する

「でも、君は引退していたはずだろう、ホームズ。サウス・ダウンズ丘陵地帯の小さな農場で、かわいいミツバチたちと愛読書とに囲まれ、世捨て人のような生活を送っていると聞いていたのに」

コナン・ドイル『最後の挨拶』小林 司/東山 あかね訳

子供のころシャーロック・ホームズが数少ないヒーローだった。 少年向けに書かれた挿絵つきの本のなかで活躍するホームズとワトソンは本ばかり読んでいた私にとって憧れの存在であった。モーリス・ルブランの描いたリュパンかホームズかといえば断然ホームズだった。博識で、科学にも通じていて、ちょっと怪しいけれど格闘技も強い、そしてなにより明晰な頭脳とすぐれた推理力をもってあらゆる事件を解決していく。(大人になって読み返すと、あまり推理とかしていないことに気づいたりするけれど、それはまた別の話だ)

名作『バスカヴィル家の犬』を読んだあとには夜道が怖くなったし、『最後の事件』で宿敵モリアーティ教授とともにライヘンバッハの滝の下に落ちたときその唐突な幕切れに(あとで戻ってくるけど)かなりショックを受けたものだった。灰色の街ロンドンのベイカー街221B。石畳の通りを走る辻馬車。パイプにヘロイン。鹿撃ち帽にインバネスと呼ばれる外套(このふたつは実写版の影響)。それから科学実験の道具に趣味のバイオリン。悪党を倒すステッキに部下の少年たち。(イギリス人なのにコーヒーを飲んでる描写があるのにはあとになってきづいた)いまでもホームズのことを思い出すと、そうした小道具の数々が鮮明な記憶となって思い出される。

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そんな子供時代の憧れの存在をイメージして額装作品を作ってみたいと思うのは当然といえば当然成り行きだと思う。直接的なきっかけは、パイプやシガーなどのペーパー雑貨を偶然手に入れたことだった。古風なパイプのかたちを見ていたら昔憧れていた探偵のイメージが浮かんできたのだ。それで昔ロンドンで買ったシャーロック・ホームズのポストカードをドキュモンにして額装してみようと思い至った。このポストカード、あまり記憶はないけれど、たしかベイカー街にあるホームズ博物館にいったときに手に入れたもの。

名探偵ホームズへの憧れは、少年のころだけでなく、その後もずっと持ち続けている。子供時代に憧れたホームズのような探偵(ディテクティヴ)にはなれないかもしれないけれど、彼が晩年目指した養蜂家の道なら、まだなれるかもしれないと思ってみたりしている。

 


2015年09月16日 | Posted in Encadreur N°6 | | No Comments » 

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