Encadreur N°5 les chats – “猫”

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今号のテーマは”ネコ”。愛らしいネコたちのドキュモンを使って額装を作っていきます。本号の作品を参考にして自分だけのネコの作品を作ってみてください。

ネコということばを耳にしたときまず何を思い浮かべるでしょうか? あどけない幼児のような瞳、ニャーという啼き声、それともピンとたったふたつの耳? 手に負えないくらいのわがままさが思い浮かぶかもしれません。あるいはそのうつくしいフォルムや柔軟な身体について。どこか秘密めいた細心さ。音もなく忍び寄るハンターをイメージするかもしれません。

私が個人的に抱いているネコのイメージは少しちがいます。これはたまたま聞いた話なのですが、ある人がペットのイエネコを自宅から連れ出して他人の家に連れていったときのこと、飼い主や馴染みの知人らが傍にいるのに猫はその場所を一歩も動くことができなくて、疲れ果てて衰弱してしまったそうです。ネコには好奇心が旺盛で未知の世界をそのたぐいまれな嗅覚でどこまでも探索するイメージがありますが、案外とそうでもなく極度なこわがり屋さんで縄張りの外に足を踏み出す勇気を持ち合わせない臆病な一面もあったりするそうなのです。

ネコという名前の由来についても諸説あるそうです。そのなかのひとつによく寝る子という意味でつけられた名前が短くなって”寝子”になったとか。ほんとかどうかはともかく信じてみたい話です。実際寝る子といわれるほどネコ科の生き物はよく寝るそうで、街で暮らすネコたちは一日のうちの大半(10時間以上!)も寝て過ごしているのだそうです。正直、ちょっとうらやましかったりも。

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そんなネコは紀元前3000年頃の古代エジプト時代から(実際にはそれよりも前から)人々にペットとして飼われ、人類の身近な存在になりました。とくに古代エジプトでは幸運を引き寄せ、悪運を払う貴重な存在として崇められていたそうです。大切な穀物をげっ歯類の魔の手から守ってくれる守護者のイメージやたくさんの子供を産む多産のイメージがネコと結びつけられ、そして何より、古代の人々はその立ち姿のうつくしさに惹かれたのだと思います。

そうしたネコのうつくしさや優美さはまた私たちの知る多くのアーティストや作家たちをも魅了してやみませんでした。ウォーホル、ピカソ、ヘッセ、クリムト、マティス、オキーフ。数えきれないほどのアーティストたちの傍らにはいつも愛らしいネコたちの姿がありました。

本号はそんな古代のエジプト人から現代のアーティストたちまで魅了するネコたちを額装のテーマとして取り上げます。家にいるネコたちをイメージした作品(Cat in the house)、簡単なテクニックの紹介として、パッスパルトゥ・ドゥヴレを使った額装の作り方(Technique)。

裏面はカルムギャラリーのレタープレスカードを使った額装(Black cat)、額装の基礎的なテクニックのバリエーションをネコのバースデーカードの作品を使って解説(Variation)、本号のために集めたネコの素材の紹介(Document Hunter)、最後にフランスのイラストレーター、ナタリー・レテのポストカードを使った紙袋の額装を作るショート・ストーリー(Avant//Apres)というラインナップです。

ネコ好きの方もそうでない方も本号が額装制作のヒントになればさいわいです。


2015年06月03日 | Posted in Encadreur N°5 | タグ: , , No Comments » 

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