Encadreur N°5 – cat in the house

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なぜだかわからないけれど、ネコにはどこか知的なイメージがあるような気がする。もちろん”トムとジェリー”に出てくるネコのトムのようにおっちょこちょいでネズミのジェリーに振り回されているネコもいるけれど、それでもネコには悪知恵というか、人をだますことができそうな賢さのようなものが具わっているような気がしてならないのである。おそらくそれはネコという生き物のなかに解き明かすことのできない秘密の部分があって、ふらりと姿を消しているあいだに私たちの知らない世界を旅してまわっているように見えるからだと思う。あるいは、ネコの個人主義的な性質がそう思わせるのかも。なんにせよ、犬がどんなときでも飼い主に対して忠実で秘密などひとつも隠さないのと反対に、ネコには人間では扱いきれない自由とそれをたのしむ余裕のようなものがある気がする。

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だからかわからないけれど、この北欧のPolkka Jam(ポルッカヤム)のネコのイラストが描かれたカードを見たとき、どこかにこんな景色があっても変に感じないんじゃないだろうかとふと思った。普通に考えたら森の奥にあるログ・キャビンのような建物の部屋でネコたちがソファに座って温かいコーヒーを飲みながらテーブルゲームに興じてるなんて少々奇妙な感じがするけれど(猫舌なのに温かい飲み物というのはひとまず置いておいて)、ネコなら人の見ていない隙にほんとに人間のするようなゲームをしていてもおかしくない気がする。

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ということで今回はこのネコたちのカードを使って額装をしていこうと思う。Polkka Jamはフィンランドのデザインスタジオなので、スカンジナヴィアン・デザインということで素朴なナチュラルな感じに作っていくのがいいだろうと思った。ドキュモンのネコたちのイメージから、そのネコの無防備な姿を家の外から覗いている感じに作品が作れたらなおいいかなとも思った。ネコたちは自分たちのゲームの行方に気を取られていて、窓の外から見られていることに気づいていないみたいなストーリーを作ってみるのだ。自分で額装の作品を作るときはそうしたカードから思いつく小さなストーリーみたいなものを広げて考えると、解釈に広がりが生まれて、作るのもたのしくなる。

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まずログ・キャビンのイメージということで、パッスパルトゥには厚紙ではなく薄いラワンの合板を使うことにした。ラワンの合板に、ペンキでエイジング処理を施して、古びた木材の質感を与えてみた。そうすることで紙ではだせないナチュラルな木材の質感を表現することができるからである。木材の処理が終わったら、今度は合板を煙突のある山小屋風のかたちにカットする。合板は数mm程度と薄いのでふつうのカッターでも切ることができるけれど、やはり木材なので切る際には注意が必要。  合板を山小屋のかたちに切ったら、今度は窓を作る。フネートル・イマージュの少し大きめのサイズで窓枠を作る。窓枠は厚紙で作って、今回はアクリル絵具で黒く塗ってみた。窓枠ができたらつぎに土台と合板で作ったパッスパルトゥのあいだにスチレンボードをいれて高さを作り、建物の奥行きを作った。ある程度高さを出さないと立体感がないのっぺりとした感じになってしまうので、家のかたちに切り出したときは高さを作った方がいいと思う。

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窓枠をパッスパルトゥに貼付けたら、今度はグレーの布地をカットしてミニチュアのカーテンを作る。これはUn Théâtre ou Une Fenêtreというテクニックで劇場の舞台を表現した額装の技法だけど、布地をちょっと貼るだけで舞台の幕やカーテンみたいな効果を出すことができるのでオススメの技法。

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裏板を作ったら、パッスパルトゥと同じ山小屋風にアクリル板をカットして、パッケの作業をする。最後はスーヴェール・ア・オングレのテクニックで作品の縁を作ったら完成。額装の技法を使えば、合板とはいえ木材をそのままマットの部分に使うこともできるので、こんな感じでポストカード一枚から世界観を広げてオリジナリティのあるナチュラルな作品を作ることができる。

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2015年06月12日 | Posted in Encadreur N°5 | | No Comments » 

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