Encadreur N°11 – Guitariste

思春期のころ、ギターという楽器に魅せられたことがある。ギブソンのレスポールをマーシャルのアンプにつないだときのあの音にノックアウトされたのだ。当然のように次の日にはフェンダーのストラトキャスターを劣化コピーしたような安いギターとアンプを手に入れ(ギブソンやマーシャルは子供には高価すぎた)、コードの弾き方をおぼえ、教科書よりも真剣にタブ譜(ギター用の楽譜)を暗記して、運指をおぼえたものだった。BOSSのエフェクターにシールドをつないで音を歪ませたら、何か魔法のようなすごい力が自分の指先から解き放たれるような気分に高揚した。そこからはよくあるように友達とバンドを組んで、ライブハウスのステージに立って、でも音楽で食べていけるほどの才能なんてなくて挫折して、という負け犬のロールモデルみたいな十代を過ごして、ギターとの縁を切ることになった。

とはいっても、いまでも未練みたいなものはかすかにあって、街のなかでギタリストたちのポスターや広告を見ると、ふと目を留めてギターを手にしたときの高揚感を思い出したりする。スティーヴ・ヴァイやザック・ワイルド、ガンズのスラッシュ、あるいはルー・リード、ステージの上で暴れ馬のような轟音を奏でるギターを二本の腕だけで易々と扱うギタリストたち。そんなエレクトリック・ギターの思い出がなつかしくなって、ちょっと休日に額装をしてみることにした。

フェンダーのストラトキャスターっぽいデザインのカードをベースに、ビゾー・クラシックとモザイクの技法を使ってピックガードをデザインする。ギターのミニチュアをいれてもいいかなと思ったけれど、今回は実物のギターのつまみを使ってみた。最後の香りづけというかアクセントにフェンダーのピックを貼り付けたら完成。ちょっと男っぽい感じの重さを感じる作品になったと思う。時間ができたらしまいこんだギターの弦を張り替えて、懐かしい曲を弾きなおしてみるのもいいかもしれない。


2016年12月23日 | Posted in Encadreur N°11 | | No Comments » 

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